モデルの妻・木村亜希と離婚した元プロ野球選手・清原和博だが、“薬物疑惑”に対する捜査の動きが注目されている。 今年3月に薬物
不動産担保ローン使用疑惑が報じられた後、逮捕もされていないのに同時期に出演予定だったテレビ番組がキャンセルになり、以降はメディア露出がまったくない状況に陥っている。 逮捕された歌手のASKAでさえ、薬物疑惑の報道から逮捕までの間は、ラジオ出演などメディアからの仕事はあったが、清原の取り扱いは非常に厳しいものがある。実際、記者間でも「●●ごろがXデーとなりそう」というようなウワサが飛び交っており、緊迫した空気は続いたままだ。 薬物疑惑に関しては、一説には肉体改造に使った筋肉増強剤の副作用から、海外プロレスラーなども悩む精神不安定な症状が顕著になったことが原因ともいわれるが、実際のところは定かでない。だが、取材記者がろれつの回らない不自然な姿を何度も目撃しており、疑惑を深めている。 その真偽は横においても、清原を「精神不安定」とする球界関係者や知人は少なくない。“番長”という愛称の豪快なキャラクターとはほど遠いものだが、実のところ、その人物像は逆で「悩みやすく繊細、酒に酔って暴れることはあっても、シラフでは小心者」と評する声が多い。 長く清原を見てきたスポーツ紙記者からも「過去、プレー中に他選手らとトラブルになっても、自分から手を出したことは一度もなく、向かってきた外国人選手に逃げ腰だったこともあった。気が優しくて後輩の面倒見がよかったりする、その気配りが“ヤミ社会”の連中からは評価されて、強引に連れ回されても断れないところがあった」という話も上がっている。 「そもそも“番長”と呼ばれたのも、後輩たちを引き連れて飲みに行き、プロレス技をかけたエピソードなどから、写真誌が連載コーナーを『番長日記』と名付けただけ。でも、本人はそのイメージに縛られるように、次第にコワモテな面を演出するようになっていった」(同) 近年の清原は、格闘家のトレーナーを帯同して過剰なまでの筋肉トレーニングに励んで、肉体は膨張。一時は格闘技の練習もしていたが、試合のオファーを受ける勇気はなく、さらに入れ墨やヒゲ、白いスーツなどを加え、まるでヤクザか用心棒かと思うような、見せかけの威圧感を増していった。そのせいで、清原を敬遠する関係者も増えていったのは事実だ。 そんな中、長年続いているとされる銀座のクラブママとの愛人関係や、自宅マンション差し押さえ、銀行口座に残高が尽きて金銭苦などのゴシップが次々に報道され、ついには浮気報道にも動じないでサポートしてきた妻までもが離れる事態になった。 3月の入院は薬物によるものではなく、糖尿病でのものと弁明していた清原だが、ここまでの話が重なったからか、テレビやラジオがオファーを敬遠するだけでなく、週刊誌やスポーツ紙ともども清原の映像、画像、ウワサを集めて蓄積し、Xデーに備えている。ただ、過去の例でいえば、マスコミの間でここまでの動きが見られるのは、その根拠が単なるウワサだけでなく、捜査当局から情報が漏れていることも多い。 9月中旬に電話で話したという知人によると、清原は「電話に出ない人間ばかり」と愚痴をこぼしていたというが、知人は「今さら泣き言を言うな」と突き放したという。姿も環境も激変しグレーな疑惑にまみれた清原からは、こうして人々が次々に背を向けているが、バットを置いて年月がたつ清原には、一連の疑惑を払拭するような逆転ホームランを放つ力も残っていないのか。 (文=ジャーナリスト・片岡亮)