イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の戦闘員に加わるため北海道大学の男子学生(26)がシリア渡航を企てた事件で、北大生が警視庁公安部の任意の事情聴取に「戦闘員になって人を殺すつもりだった」などと供述していることが8日、捜査関係者への取材で分かった。 北大生は最近、イスラム教
交際クラブに入信し、アラビア語を学んでおり、公安部は渡航に強い意志があったとみている。 私戦予備・陰謀容疑で6日、関係先を家宅捜索された北大生は事情聴取に「シリアへ渡り、イスラム国に加わるつもりだった」と供述。戦闘員となり、殺害行為などに加わる意志があったことを認めている。 渡航を考えたきっかけについては「就職活動がうまくいかなかった」と説明。公安部は、行き詰まりを感じた北大生が、イスラム国に展望を見いだし、渡航計画を本格化させたとみて、裏付けを進める。 一方、海外渡航歴がなかった北大生が今年5月、旅券を取得し、8月に千葉県の20代の男性らと数人でシリア渡航を計画していたことも新たに判明。北大生は公安部が強制捜査に乗り出した翌日の今月7日、再び出国する予定だった。 公安部の調べでは、北大生は、イスラム世界に詳しく、イスラム国の支配地域を訪れたこともある元大学教授の男性(54)らの手助けを受けて、渡航を準備。7月には北海道から上京し、東京都杉並区内のシェアハウスに居住し、千葉県の男性らと8月に渡航を計画したが、旅券紛失や家族の反対などで中止した。 公安部は、北大生や元教授らの関係先を捜索。北大生の旅券や、イスラム教に関連する書籍などを押収した。元教授は「シリア行きを希望する北大生を手伝いたかったが、うまくいかなかった」と説明している。